ダンサー、振付師のブログ

月組『DEEP SEA』

satoshi mitsui

本日は東京宝塚劇場に『DEEP SEA』を見に行ってきました。

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東京初日に行く事が出来ず今の観劇となってしまいましたが、見れて良いと感じた事を書きます。

まず、何が良かったかと言うと、、、

①芝居も見れた結果、ショーとのギャップを感じれた。

②宝塚大劇場を経て更に進化をしているショーを見れた。

③やはりお客様方が喜んでいる姿を後ろから見る事ができる嬉しさ。

他にも色々とありましたが、今回はこの3つについて書きたいと思います。


普段はショーに入って振付をしているので、一幕の内容やどんな感じで芝居をしているか、どの様なキャラクターで踊っているのか、と言う事を知るのは舞台本番の時に知ります。

そこで時々あるのが、芝居のシーンでも同じジャンプの種類を振り付けていたり、ごくたまに動きがかぶる時があります。

特にその事が良くない事では無いのですが、振付師として狙うか狙わないかを決めて振付しているため、1幕を見ている時心の中で「あ!同じジャンプ!」って思う時がある。
今回は1幕と2幕が全然違うためそう言うこともなく、ジャンルが離れている印象でしたのでお互いに良い影響を与えているなぁって感じました。


ロングラン公演の醍醐味の一つとしてはキャストと作品が進化していく所にあります。
僕自身、ミュージカルでメリーポピンズやロミオ&ジュリエットなどのロングラン作品に出演をしていました。
同じ事を何度も演じるハードルの高さは身をもって感じてます。
その中で同じ事の繰り返しにより深みが増していったり、説得力が上がっていくのは演者次第とも言えます。
それをDEEP SEAで感じる事が出来ました。
クリエイターとしてはとても嬉しく、達成感の一つでもあります。
引き続き、千穐楽まで健康で完走できる事を願っています。


最終的にはここにつきます。
振付師は最初誰よりも近くで演者を前から見ます。

振付の時は斜め前に立ち演者と同じ視界で立ちます。

振付の後の振り固めでは、演者の前に立ち前から見ます。

通し稽古では、そこから少し離れた位置でスタッフ総出で前から見ます。

舞台稽古に行くと客席真ん中辺りから演者を見ます。

初日の本番では演者を見ているお客様方含め1番後ろから見ます。

振付師は作品が出来上がり舞台が始まるまでにどんどん演者から距離を取り最終的にはその出来事の大外から見ます。

その時に自分の元から作品が離れて演者とお客様方のものになったと実感します。

ちなみにここでいう演者というのは劇団だけではなくミュージカル、イベントなど様々な所で思います。

本日のお客様方が喜んでいる姿を後ろから見て、改めて今回の作品の一人立ちを感じました。
そして、それは振付の時から進化していてまるで似て非なるものを見ている感覚でした。

よりナチュラルでよりエネルギッシュ。
とてもセクシーでとてもファニーな作品になっていました。

自分自身とても良いエネルギーを貰いました。

DEEP SEAはいよいよ千秋楽に向けてラストスパート。

離れた所から皆様の完走を願ってます!
応援してます!!

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ABOUT ME
ミュージカル、歌劇、フィギュアスケート、映像CMなどの振付師として活動しながら自身もコンサートやショーの演出家でもある。 現役のjazz dancer、ミュージカル俳優である経験を活かし宝塚歌劇団で現役生へのダンス指導や国内各地でワークショップを開催している。
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